誰かを貶していいのは、相手の正面に於いてのみ
――忌み嫌うべきは、ただの情報を分析しただけで、本人のことをよく知りもしないのに、その人を判断して、知った気になって、悪評を連ねるような輩
何事も話をすることから始めるべきなのだ

φ

徹頭徹尾、自身でやった事以外は、誇ってはならない
――生まれ落ちた時からすでに母の世話になっているのだから、此の世界で誇れるものなんて何もないじゃないかと言ったら、彼女は"終わったことより、先のことを考えなさいな。誰しもが同じように生まれますが、死に方は選べるのですから"そう言って、柔らかい手で僕の頭を撫でる。
答えになってないぜって笑ったら、“そうやって笑えるうちは、貴方は生まれたことを自慢していいってことですよ"と、意地悪く微笑して抱きしめるのだけれど。

φ

己の為に動くのならば、その責任全てを背負う覚悟を
誰かの為に――本当に…本当にその人の為になることを願い――動くのならば、その人が自分で悟るまで、己の善意であることを、その人に悟られないように尽くすこと
――言葉というものは、とても難しい。
純粋な気持ちでさえ、言葉に落とし込んだ途端に、そこにある輝きは失われてしまう。
だからといって、他人の言葉を疑ってかかるほど歪んでしまっていた人間不信に対して、“だけど、言葉が無ければ、何も伝わらない"と諭した少年の言葉で救われた誰かが、確かに居たのだけれど。
言葉の価値は、発する時や、人に依存する。
欲しい時に、欲しいことを、相応しい姿勢で告げられたのなら、その値打ちは、いかほどだろうか?
その一言で心を救われたのならば…それは…それは…どんなに……

φ

男は背中でものを言え
――黙って行動で示せ、と(笑)
どこか、善意の項と似るのは、其処には通さなければならない筋があるということ
“なら、女はどうなんだよ?“と聞いたら、
“さあ?“と意地悪く笑った後に、
“私は、その、男性が示して下さるその心に気付く事ができる位には、聡明であろう、と心掛けておりますよ"と。
何処かで敗北感を覚えたのは、嘘ではない。

φ

考えることを、恐れてはならない
けれど、曖昧なままであることの素晴らしさもまた、理解されるべき
――後半は、日本人であれば、自ずと理解できるもののような気がする。
ただ、前半の項は、未だに理解しきれない。
ああ、考える、ということは、……どうなのだろう?
知ってしまってはいけないことに、辿り着く。
ソレによって生まれた感性で今までとの認識との差違に、傷つく。
……それでもなお、恐れを禁ずる。
“答は常に、自分の中にあるのです”
彼女はいつも、“考えることに疲れた"と、匙を投げる僕に対して、そう諳«そらん»じる
“その自分に呼びかける為に、私たちは世界を学ぶのです”
…………
オレは。
オレは未だ、この言葉の解釈を、諮«はか»りかねてる、

φ

道具は使い手を選ぶ
――短いにしろ、真実なのではないか、と。
“だから、他に持つべき人がいて、その人がそれを自分より遥かに活かしてくれると認めることができたなら、惜しむ必要はないんですよ?”
痛み入る。

φ

物質的なものに未練を抱いてはいけない
――実際はとても難しい事ではないかと思う。
彼女は、“愛着と、未練は違いますよ?”
わかりますよね?  と。

反論するのなら、
ソレは互いにとても近い感情だぜ、と。

仕方ありませんね、と、少し嬉しそうに目を細め、片方の手のひらをオレの頬に添える。
“捨てる、という決断は、時に英断です”

なぜ?

彼女はもう片方の手を、オレの小さな手に添えて、
“そうしたら、空いた手で、次に掴むものを選べるのですよ?”
何かの宣誓の様に、ソレに口づけをする。

半分、納得がいったけれど。
質問の答になってはいないな、と

“でしたら、残りの半分は、経験で埋めて下さいな”

……今ならば、
物じゃなければ、惜しんでいいのかい?
と、キザったらしく返すのだろうが

φ

後悔のない選択肢などないのだから――せめて可能な限り後悔の少ない選択肢を
――考えて、考えて、出した答えは、貫き通す。(空気王)
それが、自分の最善だと信じるから。
けれど同時に、それは自分の為の行動だから……
“非があるのならば受け入れる勇気を”
頷きはしたけれど逃げられないことはとても怖いことだと、……そう思った。

φ

丁寧に生きなさい
――字がきたないのと、丁寧に書かないのは違うのです。わかりますか?

意識の有無、意志の強度。
漫然と生きる生に価値はない。
なぞるように、丁寧に。
死の淵で後悔しない様に。

φ

状況 : 常に展開されよ
――無変化は停滞しか生まない、
変わらずにいられるモノなんてなくて。
だから動こうか。主体性はココにある。

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優しく在るということは、強いこと
――さあらば常に。

φ

何でも出来ろ
――超無理。
そう言ったら、
“問題は、やる前から可能性を狭めてしまう点だと思いますよ”
どういうこと?
“……これは、現実的には、不得手が存在するので、ほぼ不可能なんです”
…そうだね
“けれど、コレを念頭においておくことは、苦手なことに着手することの、ひとつの自分への言い訳になると思うのです”
…………?
“ウチの家訓がこうだから、苦手だけど、ちょっとやってみるよ、とか、手をつけてみないわけにはいかないな、とか”
……へぇ……
“まあ、あくまで私の解釈なんですけれどね?”

貴女の解釈ならば、それは僕にとっての真実だよ

……喜ばせるつもりだったのに、何故だか彼女は目を伏せて。
肌で感じた心音からでは、彼女を理解することはできなかった。

彼女は何を堪えていたのだろう?