ハヤタが俺の家に遊びに来た時にポロッとこぼしたこの言葉が、何故か俺には妙に腹立たしかった。 腹立たしかったが、漠然と「この概念は正しい」とすぐに感じた。でも同時にどうしようもなく腹立たしかった。「アァン?」と。 この言葉を認めたくないオレが居た。
しばらく、ふとした時にこの言葉を考えた。(引張試験の最中とか)この言葉を認めたくないオレが居るが、どうも深さが足りない。……同じだけの具体例、とまではいかないにしろ、オレの思いつきうる極例で全件検証くらいはしてみなければなるまい、と。 結果は、「この言葉はどうも正しいみたいだ、反例は無い」 でも、この思想には賞味期限がある。どこかで歯車が狂う。そしてその時は油を挿せる状況でない。 だけど、多分本当に残したいものはなんだかんだと残る、ファージしておかないと、これをめちゃくちゃに踏みにじられて滅びる 余裕のあるうちにファージしておく、これは多分正しい、けど何かが違う。 要らないものを取り込んで、それが原因となって、「一番在りたい姿」から遠くなる。そうだな、多分これだ。風呂敷を広げすぎて滅ぶ ダラーズとか日本軍とか
食べて、消化しきれずにお腹を壊して死ぬ 融和させることが出来ずに、肚のうちから突き破られる
つまり、「意思決定を司る人間やら、役割やらの器(カリスマ性)を超えた時点で、集団というものは(適したサイズに向かって一方通行的に)内部分裂や空中分解に陥る」 「だからこそ、この思想には賞味期限がある」 「けれど確かに、『余裕のあるうちにファージしておく、これを怠る集団というものは、どうも滅ぶみたいだ』」 「反例は存在しない。怠ると間違いなく滅ぶ。」 「怠らなくとも滅ぶけれど、怠ると『本当に残したいもの』を『外からの侵略』で滅茶苦茶に踏みにじられて滅びる。」 「『余裕のあるうちにファージしておく』ことで、たとえ分解したとしても、その先々各々でエッセンシャルな部分は残るんだ」
強く在るためには、――集団を率いるタイミングに及んで強く在り続けるためには、融和を続けられるレベルより少し早いペースでファージし続けなくてはならない。そして得られたリソースで進化や変形を獲得形質とせねばならない そうしなければ滅ぶのだ
蛇足だけれど
オレがかの言に腹が立ったのは、オレが切り込み隊長的な人間だからだと思う。 少数精鋭の部隊に、ノロマが入ってきたら部隊が全滅するんんだ。……だからオレは排他的な人間なのだ。 行軍は最も足の遅い人間に合わせねばならない。 ファージすることで取り込まれてしまう「足の遅い人間」を斬るだけの機構が、現在の日本的な感覚では存在しにくいのだ。 斬る役割を、オレが担わねばならない。……なればこそ、最初から入れたくない、ピンポイントでスナイプしてヘッドハンティングするほうが効率がいい。 武家の発想のように、優れた血だけを入れる方がいい そんなことを、オレはどこか深い部分で刻み込まれているように思う
更に蛇足だけれど
これは「急がば回れ」レベルで本当によく纏まった言葉だと思う。使い易すぎる。対象の将来を判断する時に、チェックする項目に確実に入る割に、判断が『現状』に対する2択で済むのだから。 効率がいいったらありゃしないぜ