肌寒いくらいの、寒さが痛みに変わらないくらいの寒さが、最近好きだ。 リバーズエンドで、遥が 「寒いのは嫌いではないの。自分の輪郭と世界との境界が、はっきりとするような気がするから」 息をして、ふと寒さを感じる度に、このとても美しい一文を思い出す
昔、舞さんの店で本を投げ出して、暑さにグタりながら、甘えるように 「あついよぅ〜」 とのたまっていたら、(なんか多分回数を重ねて鬱陶しくなったんだと思うんだけど)彼女、読んでいた本を閉じて、真顔で 「暑い、寒い、痛い、眠い は気のせいです」 と言われた。 **忘れられない。**彼女は続けて 「暑過ぎたら頭が朦朧となって声が出ませんし、寒すぎても唇がかじかんで声は出ません。 痛すぎたら痛いとは言えずに呻き声になりますし、眠すぎたら人間は眠ります」 「だから、暑い、寒い、痛い、眠い と主張する意味はありません」 「暑ければ黙って空調をかければいいのですし、寒ければ黙って重ね着すれば良いのです」 諳んじるように彼女は言い切った。
あまりのパワーワードの連続に、キョトンとした表情を浮かべた俺に、良心の呵責を感じたのか、 もう、と呆れたように目を細めながら2人しか居ない店内で、オレだけに扇風機を当ててくれたけれど、 以降「暑いなー」とか、「寒いなー」とか思う度にこの言葉を反芻するうちに、俺は何処か納得してしまって、いつからかその4つをあまり言わなくなったw なんだか呪いみたいだw