去年の焚火は、実は成功だったのではないかと、そんな風に思っている。 判断に一貫性を持たせるには、明確なテーマが必要だ。 たとえどんなに下らないことであっても。 たとえそれが仲間内の焚火であっても。 テーマが定まれば、各自が勝手に判断したとして、狙った範疇に大抵収まる。


前回の焚火のテーマは、こんな風に言語化した。 「千夜一夜物語ではなく十日物語」 「アラビアンナイトではなくデカメロン」 「シェヘラザードではなくボッカチオ」 幻想の終わり。


学生の時は、いろんな淡い期待を持っていた。 社会に出て、現実を知って、そんな俺達が、火を囲んで、わやわやと現実を見つめなおす焚火。 知った現実を噛み締めて、味を確かめて、 知った現実が良いものであり、悪いものでもあるってのを確かめる焚火。 これまでずっと、童貞の女語りが楽しかった。 けれど、味を知って、 実際は(そりゃあ)期待以下だったけれど、 それはそれで病みつきになる、とてもとても素晴らしい、良いものだったよ。 と。(バカバカしくひけらかし合う) だとして、童貞の女語りにも惜しさがあって、 分からないことが分かるようになった代わりに、 分かっていたことが分からなくなるような、 対象年齢が前に進む感覚を惜しみたかった。 「暗闇が 怖かった時代も あったのに」 アラビアンナイトってのは、ご存知の通り、スゲェ荒唐無稽な世界。 一方でデカメロンは現実世界のバカな猥談だ。 (まぁどっちもエロいんだけど) どちらかというと、重厚な長編じゃなくて、 サパっとしたエロで笑い飛ばしたい。 そしてそれは憧憬として完成したと思う。 ……今回はそんな世界。